何の分野であれ、
この世に名を残すほどの人は、
人並み外れた能力を持っているけれど、
その天才たちの中でも、
桁外れの天分に恵まれた人というのが、
やはりいるように思う。
作曲家で言えば、
そりゃショパンでしょ!
…と思うわけだ。
ショパンの曲をレッスンしていると、
いつの間にか、
先生という立場を忘れて、
自分が一聴衆になっていることがある。
それほど、彼の音楽は耳に心地よく、
スッと心に浸透する。
そして、よくできた曲なのに、
彼の音符に、
“作った”という形跡はなく、
だから、自分が練習する時、
思考の力を殆ど必要としない。
ショパンの発想の源泉は、
凡人には到底想像のつかない、
別世界のものなんだろうな…と、
ショパンに触れる時、
いつもそう思う。