不快な和声的半音階進行

子供の頃から、

どうしても好きになれなかった、

バッハのシンフォニア第7番。

 

犯人は、楽譜に赤丸で示された、

和声的半音階進行なのだけど、

楽曲分析を進めていくうちに、

やっとその不快感から、

解放されつつある今日この頃。

 

ただ、実際、この曲の第16小節では、

この半音階進行が異声部に配置され、

中声部と下声部に対斜を作る。

 

この対斜は、

音が豊かに響く現代の楽器で弾くと、

ほんの一瞬ではあるけれど、

耳に障らないと言えば嘘になるわけで、

つまりこの独創性は、

限りなく限界に近い所にあるように、

思えてならない・・・。

 

反復主題グループと主題の二重化。

二つの技法の組み合わせに、

新たな可能性を見いだしたこの作品。

独創的であるが故に、

やはり難曲だなぁ…と。