先日旅行で訪れた、
松山は道後の正岡子規博物館。
この偉大な俳人と取り巻き達の、
墨と筆で描かれた、
数知れない作品を眺めている内に、
それらが美しい絵画に見えてきました。
短歌にせよ俳句にせよ、
これまで読んだことのあるものは、
出版物として印刷されたものばかり。
この印字された状態では、
俳句が表現するものを、
半分も味わえないんだなと、
痛感させられた気がするのです。
楽譜もまた同じ。
私達が読譜に使う楽譜のは、
校訂版であれ原典版であれ、
通常は全て印刷されたもの。
作曲家の息づかいは、
跡形もなく消されてしまい、
その痕跡を残さない。
幸い楽譜の世界も研究が進み、
作品は限られているけれど、
原典版に自筆譜のファクシミリが、
併せて出版されるようになって、
かなりの年数になる。
原典版を参照せよ!
この提言の意味を、
あらためて考えてみたいと、
そんなことをふと思うのです。