何年やっても、
やればやるほど発見&驚きのバッハ…。
掲載楽譜は、
2声のインベンション第5番変ホ長調。
形式・和声共に、
到ってシンプルなこの曲に、
こんなウィットに富んだ工夫が、
あったとは…。
27小節から終わりまでは、
冒頭テーマの再現フレーズで、
調性はEs-dur。
あ~、やっとここに帰ってきた~!と、
ホッとする部分。
この再現テーマの冒頭二小節(青丸)が、
前小節の左手で、
実は、そっくりそのまんま、
先取りされているんですね…(赤丸)。
だたしこの部分は、
As-dur(Esの下属調)。
楽譜に簡単な和声分析をしましたが、
元々Es-durだったモティーフを、
As-durの箱にはめ込むことで、
和声の機能が変化しているので、
テーマが先取りされていることには、
なかなか気づきにくい…。
一種の騙し絵、
トリックアートのようなものですか…。
先日、片手練習をしていて気づき、
驚いた次第…。
バッハからは、
「やっと気づきましたか…」と、
ほくそ笑まれる一方で、
「お前この曲を、
一体何年やってるんだ…」と、
呆れられた感がないでもないですが…。
今更ながらに、すごいな…バッハ…。
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