次の演奏会で取り上げることになった、
「月光」の第一楽章。
シンプルなココラールを分散和音にしたものが、
これほどロマン的情緒を湛えた曲になる…。
ただただ凄いなと、思うわけだ…。
決して特殊な和音ではなく、
基本的な和音を巧みに連結させながら、
響きの色調を微妙に変えていき、
随所で用いられるナポリの6が、
そこに独特の深みと風合いを添える。
アラブレーヴェの大きな波の中に、
全体を通して揺蕩う三連符。
調性は、柔らかい光のようなcis-moll。
「月光」という名前は、
作曲者によるものではないけれど、
是、正に言い得て妙…。
やはり名曲だなぁと、
改めて思う今日この頃…。
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