ブラームス ワルツ Op.39 あれこれ その3

ブラームスワルツ あれこれ…

最後にもう一つだけ、

形式の方に目を向けてみると…

 

一曲一曲の長さは短く、

反復の小節をすべて勘定して、

最長のもので僅か80小節(第11番)程度。

形式的には、二部形式と三部形式のみ。

 

つまり、全曲を通して、

無駄のないシンプルな作りで、

ピアノ作品であるとともに、

作曲の基礎教材にもなり得るような、

そんな作品集なんですよね。

 

例えば同じ二部形式でも、

再現フレーズを、

単純反復のするもの、

色々な技法で発展するもの、

…と色々あり、

ブラームスの作曲技法を、

チラリと垣間見る思いがする。

 

しかし、このような短い、

シンプルな形式の曲を、

よくここまで芸術的に書いたな…と、

ブラームスに対する、

尊敬の念新たなる今日この頃。

 

例えば、第三番嬰ト短調。

8小節+8小節の、

基本的箱型に作られたと思えないほど、

多くのことを語りかけてきます。

 

これは、言葉の丈を尽くして、

長文で何かを訴えるよりも、

ずっと難しいこと…。

 

この連弾集を知ることで、

重厚な交響曲や室内楽作品が、

その代表作であるブラームスの、

別の一面を垣間見ることができる…。

そんな気がしているのです。

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